うつ病になってしまうと、簡単には完治しません。
いくつかの治療法を組み合わせて、長い期間をかけて治療をしていくことになります。
ここでは、うつ病の治療法として代表的なものを紹介します。
・薬物療法
うつ病の治療に用いるのは「抗うつ薬」ですが、
薬とはいえ即効性があるものは少なく、
3週間ほどは飲み続けないと効果を実感することはできません。
ただしその効果は頼もしく、症状の7~8割は緩和できると言われています。
抗うつ薬のタイプはいくつかあるので、
患者の症状やその度合いに合わせて医師が処方します。
患者は、医師の指示に従って正しく服用してください。
・休養療法
うつ病の原因で最も多いのは「ストレス」であると言われています。
そのため、うつ病を治すには、ストレスを取り除かなければいけません。
そこで、ストレスの原因が職場や学校にある場合には、
医師から休職や休学をすすめられることもあります。
・精神療法
うつ病の治療では、原因を探るためにカウンセリングを行うこともあります。
その内容を踏まえて、自分なりにどのように考え、
対処するとよいのかなどを指導します。
これらの治療法については、
まず「薬物療法」と「休養」を組み合わせることが多いようです。
この2つの治療法によって、症状の緩和とストレス解消を図ります。
そしてある程度、治療の成果が出てきたら「精神療法」も行っていきます。
このような治療法で、うつ病の完治を目指しますが、
まずは焦らずに根気よく続ける気持ちが大切です。
医師とよく話し合いながら、その時々の症状や状態に合わせて
治療を行っていきましょう。
うつ病の治療薬
うつ病では、脳内の神経伝達物質のバランスが崩れるせいで、
心身に様々な不調が生じます。
そのバランスを整える働きをするのが「抗うつ薬」です。
以下に、うつ病の治療で処方される抗うつ薬を種類別に
いくつか紹介します。
【ノーマルン、トフラニール、イミドール、アモキサンなど】
3つの環状構造でできている「三環系抗うつ薬」に分類されます。
三環系抗うつ薬は1~2週間は飲まないと効き目を実感することはできません。
また、便秘や喉の渇きなどの副作用が出ることもあります。
【ノイオミール、クロンモリン、ルジオミールなど】
4つの環状構造からなる「四環系抗うつ薬」で、
アドレナリンやセロトニンなどの神経伝達物質の分泌を促します。
この薬の場合も、便秘や喉の渇きなどに悩まされる人がいるようです。
【ルボックス、デプロメールなど】
「SSRI」という種類に分類される抗うつ薬で、副作用が少ないのが特徴です。
その理由は、うつ病の要因だけに働きかけるからです。
飲み始めには、不安感や吐き気、眠ることができないなどの症状を訴える人もいますが、
この抗うつ薬を飲み続けていれば、やがてうつ病の症状も消えていきます。
ただし完治までには、それなりに長い期間がかかります。
【トレドミンなど】
「SNRI」という種類の抗うつ薬です。
SSRI同様に副作用は少ないと言われていますが、
飲み始めの頃は、喉の渇きや頭痛などを感じる人もいます。
しかしSNRIはSSRIよりも、
やる気を起こさせる効果が高いというメリットがあります。